下品な言葉NG 米陸軍部隊で試み

下品な言葉NG 米陸軍部隊で試み

2025/06/02 (月曜日)

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「貴様らは最下等だ!!」鬼教官のしごき消えるか 米陸軍部隊新ルール、汚い言葉で除隊も

米中西部ミズーリ州に拠点を置く米陸軍の部隊が4月、珍しい通達を発出した。汚い言葉遣いを禁じ、何度も違反した兵士には除隊を命じるという。通達では入隊ホヤホヤの新兵を含む全ての関係者を「敬意と礼節をもって扱う」と強調している。軍隊に入ったばかりの新兵を鬼教官が罵倒してしごき上げる-。映画「フルメタル・ジャケット」で広がったイメージは現実の世界から消えるかもしれない。

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米陸軍部隊で「汚い言葉禁止」通達、背景と狙いを解説

米中西部ミズーリ州を拠点とする米陸軍のある部隊が2025年4月、特殊な通達を発出しました。隊員による日常的な卑語(下品な言葉遣い)を全面的に禁止し、繰り返し違反した兵士には除隊を命じるという厳しい措置です。一般のニュースではあまり伝えられない“言葉の使用ルール”を巡る取り組みですが、その背景には、昨年12月の演習中に撮影・拡散された映像が大きく影響しています。

通達の内容と背景

通達では、「(f—–)」や「(g—–)」などの下品な英語表現を口にすることを一切禁止し、侮辱的な言葉遣いが見られた場合は即座に処分の対象とすると明記されています。なぜこのような厳しい規定が必要とされたのか。そのきっかけは、昨年12月に行われた大規模演習の最中、隊員同士が互いを罵倒し合う様子を撮影した動画がSNSに流出したことです。

演習中の映像では、全員がマスクを着用しながらも、まるで戦場さながらに激しい口汚い罵声を浴びせ合い、まわりの兵士へ「(g—–)」といった野卑な言葉を何度も繰り返す場面が収められていました。外部から演習を視察に訪れた米海兵隊員は、この映像を見て「典型的な男の行動ではあるが、あまりにも過激で傷つけられる言葉が多かった」と指摘し、問題視していました。

新大隊長の「言葉は最強の武器」発言

部隊司令官によると、今回の通達を断行したのは今年着任した新任の大隊長であり、赴任後すぐに言葉遣いに対する“許容量”をゼロに設定したといいます。大隊長はメディア向けに「演習はあくまでも戦闘をシミュレートする場であり、最も強力な武器は“言葉”だ」と説明しています。つまり、いかに銃や爆弾を扱うかと同じくらい、日常的に交わされる言葉の一つ一つがチームの士気や信頼関係を左右し、最悪の場合は精神的ダメージを招いて部隊の結束を弱めるリスクがあるという考え方です。

実際に通達発出後、隊員たちは以前のように乱暴な言葉を発することができなくなり、日常会話でも細心の注意を払うようになりました。これにより、内部の人間関係が改善されたという報告もあり、部隊全体に一定の秩序がもたらされたとされています。

「言葉の力」を見直す狙い

なぜ軍隊という厳格な組織が、言葉遣いまで細かく制限する必要があるのか。背景には、現代の軍隊運営において「チームワーク」「精神衛生」「ストレス管理」が従来以上に重視されるようになった事情があります。以下のような理由が挙げられます。

  • 士気低下の防止
    罵倒や侮辱的な言葉が飛び交う環境では、隊員同士の信頼関係が損なわれ、連帯感が薄れる危険があります。特に演習中は、緊張状態が高まるため、言葉の暴力が思わぬトラブルや意図しない事故を引き起こす可能性があります。
  • ハラスメント防止
    現代の軍組織では、性別や人種を問わず多様なバックグラウンドを持つ隊員が共に活動します。過激な言葉遣いがハラスメントや差別的発言につながるリスクを低減し、ポジティブな職場環境を維持することが求められています。
  • 精神衛生の確保
    過剰な負荷がかかる軍事演習では隊員の精神的ストレスも大きく、言葉による攻撃はメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に最近では、軍人の自殺やPTSD(心的外傷後ストレス障害)が社会問題として取り上げられており、精神衛生を優先する姿勢が強まっています。

批判と評価の両面

一方で、この“言葉禁止”通達には賛否両論が生じています。賛成派は、軍隊にも礼儀や節度が必要であり、現場での暴言や罵声を厳格に取り締まることで秩序を保ち、隊員の団結力を高められると評価します。実際、通達後には隊員同士が互いを尊重する態度が増し、演習の効率性や意思疎通の円滑化が図られたとの声もあります。

しかし一方で、批判的な声として「軍隊ではある程度の強い言葉が許容されるべきだ。訓練は厳しさを伴うものであり、秩序を乱さない範囲での怒声や激励は士気を高める効果がある」という意見も散見されます。また「言葉を制限しすぎることで、いざ実戦では思い切った指示や命令が出しにくくなるのではないか」「上下関係の厳しい組織では、命令の響きが和らぐ恐れがある」といった懸念も挙げられています。

さらに、通達の運用方法にも課題があります。文面だけ厳しくしても違反成績をどのように立証するか、口汚い言葉として何が該当するのかを具体的に定義するのは難しく、曖昧さが問題視される可能性があります。違反者を除隊する際の基準や手順を明確にしないと、恣意的な処分と受け取られかねません。

今後の展望

米陸軍が試みる「言葉禁止」の制度は、軍隊におけるコミュニケーションのあり方を再検討する契機となっています。兵士同士の信頼を築き、ハラスメントやメンタルヘルスの問題を予防する狙いは明確ですが、実際の運用には細心の注意が必要です。今後、他の部隊でも同様の取り組みが広がるかどうかは未定ですが、米軍内外で「言葉の力」を再認識させる効果があることは間違いありません。

最後に、大隊長が述べたように、演習や訓練はあくまで実戦を想定する場であり、言葉もまた「強力な武器」です。命令を伝える、士気を鼓舞する、信頼を育む――すべては適切な言葉遣いにかかっています。本件が他国や他の軍隊にも広がるかは不透明ですが、現代の組織運営において「言葉」を見直す機会として注目されるでしょう。

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