中国警察の海外派出所(overseas service stations)」が世界各地で設置
2025/06/04 (水曜日)
中国の警察、公安省は海外でも活動? 米国の事件から見えた実態は
日本国内で噂される「中国警察」拠点──不法行為か支援センターか、海外派出所問題の全貌
近年、「中国警察の海外派出所(overseas service stations)」が世界各地で設置され、中国本土以外の中国人コミュニティを監視・統制する拠点として批判を浴びています。報道によれば、東京・秋葉原や福岡など日本国内にも同様の施設が存在するとされ、捜査当局が実態調査を進めています。現地メディアの調査や国会議員の指摘をもとに、日本における「中国警察」の現状、国際的論争、類似事例、法的課題などをまとめました。
「海外派出所」(中国語:「海外派出所」)は、中国公安部(警察)が2014年以降、在外中国人向けの行政サービス拠点として各地の地方公安局単位で設置したとされるものです。当初は「証明書発行支援」「戸籍・身分証再発行手続き」など、コロナ下での手続き支援を名目としていましたが、実際には反体制派や政権批判者を監視・帰国圧力をかける秘密警察の実態が複数国で指摘されています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
2024年2月、東京警視庁は都内某所にあるとされた「中国警察海外派出所」の一斉捜索を実施し、資料や通信機器を押収しました。共同通信らが伝えたところでは、捜査はアジア系人権団体「Safeguard Defenders」の内部告発を端緒とし、同派出所が日本在住中国人への監視活動や帰国勧告を行っていた疑いを調査しているといいます:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
これに先立つ2022年末、ロイター通信は「日本政府が中国の海外派出所設置を国際条約違反の疑いとして調査中」と報じ、松野官房長官も「主権侵害になれば断じて容認できない」と外交ルートで中国側に厳重抗議したことを公表しました:contentReference[oaicite:2]{index=2}。
「海外派出所」は欧米各国でも発覚し、米国、カナダ、英国、オランダ政府が相次いで調査を表明。香港や台湾の反体制活動家への圧力事例も報告され、ドイツやオーストラリアでは中国側の説明を得られなかった拠点を「違法施設」と断定しています。欧州諸国は外交ルートを通じて「ウィーン条約」違反の疑いを追及し、中国政府に改善を求める声明を発出しました:contentReference[oaicite:3]{index=3}。
調査報告によれば、海外派出所は主に次の機能を備えているとされます:
・中国人住民向けビザ・顧客証明書発行支援
・地域コミュニティへの政治プロパガンダ配布
・反体制派の情報収集・帰国圧力
・不正金銭送金ルートの監視誘導など
特に後者の「帰国圧力」は、対象者の家族に対する嫌がらせや海外拠点での脅迫に発展するケースも報告されており、人権団体は「秘密警察の国外展開」と批判しています。
現時点で報道に出ている具体的事例は以下の通りです:
・東京・秋葉原地区のビル内貸会議室(2024年2月捜索)
・福岡市中心部の中国系SNS運営事務所(内部告発で調査)
関係者証言では、「夜間に中国語の幹部が頻繁に出入り」「住民登録証の発行業務と称しながら監視システムが併設されていた」といった情報が寄せられています。
中国政府が外交ルートを経ずに警察施設を国内に設置する行為は、1961年ウィーン条約第22条が定める「領事館以外の公館等の設置禁止」に明確に抵触する可能性があります。日本の法的枠組みでは、外国公務員による国内での行政・警察権行使を明文で禁止しており、違反者には国外退去措置や捜査権の行使が可能です。しかし、実態解明には捜査能力の強化と在留外国人保護の両立が求められています。
台湾では2023年、フランスにあった派出所がサイバー攻撃の拠点となった疑惑で摘発され、OCAC(対外華僑委員会)が関連を否定。香港では民主派活動家が「都内で機関砲搭載の中国公船に脅された」と証言し、秘密警察の存在を裏付ける調査が進みました:contentReference[oaicite:4]{index=4}。
日本国内で指摘される「中国警察海外派出所」は、当初の行政支援拠点という名目を逸脱し、政治的監視や帰国圧力を伴う秘密警察として機能している可能性があります。東京警視庁の捜索や官房長官の抗議発言に見られるように、政府は主権侵害の疑いを重く受け止めており、捜査・外交の両面で対応を進めています。
今後は、在日中国人コミュニティの人権保護と国家主権の維持という二重の課題に対し、警察・外務省・人権団体が連携し、国内外で得られた情報を速やかに共有する仕組みが不可欠です。世界各国の調査・摘発例と同様、日本でも不法拠点の実態解明と国際法順守を徹底することで、「警察権の国外展開」を断じて許さないというメッセージを発信する必要があります。
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