家賃2.5倍 住人側に撤回通知届く
2025/06/12 (木曜日)
【速報】値上げ撤回の通知届く…急展開“家賃2.5倍”マンション
2025年6月8日、東京・板橋区の築40年超のマンションで突如「家賃を2.5倍にする」との通知が住民に届き、大きな波紋を呼びました。元家賃7万2,500円の部屋が一律19万円に跳ね上がるという過酷な条件に、多くの住民が退去を余儀なくされる事態となりました。しかしその後、中国人オーナーへの直撃取材を経て、値上げ撤回と謝罪が表明されるという急展開を見せました。本稿では、このケースの詳細と背景、住民への影響、日本の賃貸市場の現状、法的論点、今後の課題について多角的に解説します。
問題のマンションは7階建て約20世帯が入居し、過去30年間ほぼ家賃据え置きで運営されてきました。2025年1月、各戸の郵便ポストに「公共料金や諸経費の上昇を理由に家賃改定を行う」と記されたビラが投函され、7万円台だった1DKの家賃が一律19万円に引き上げられると告知されました。詳細な説明や事前協議は一切なく、住民は事実上の一方的な通告に強い衝撃を受けました。
住民は内容証明郵便で値上げ拒否を通告し、複数の世帯が弁護士へ相談。さらに2月以降、民泊無届営業の実態も明らかになり、見知らぬ外国人観光客がキャリーバッグを転がして出入りする光景に不安が広がりました。またエレベーターが5月中旬から停止し、高齢者や体の不自由な住民が非常階段を使わざるを得ない状況となり、安全性の問題も露呈しました。
テレビ朝日の取材班は、登記上の代表者として名前が記された中国人にオンラインで直撃。彼は「名義を貸しているだけで決定権はない」「本当のオーナーは別人」「家賃改定の反発が大きいので撤回する」と予想外の発言をし、値上げ案の白紙撤回と謝罪を約束しました。その後、正式な通知書が住民に届き、オーナー側はエレベーター再開や民泊停止も表明しました。
一連の混乱で5世帯が既に退去し、さらに4世帯が来月退去予定です。高齢の住民にとっては引っ越し先を探すのも容易でなく、健康面や経済面で大きな負担がかかります。値上げ撤回の通知を受けても「どこまで信頼できるか分からない」「再度トラブルが起きるのでは」と不安を抱く声が根強く、住民の安心回復には時間を要する見込みです。
日本の賃貸契約では原則として「更新料や改定条件は書面での合意」が必要です。家賃は市場動向や公租公課の変動を反映させることが認められる一方、改定率やタイミングには明確な基準がありません。法律上、家賃改定通知から一定期間内に借り手が拒否すれば、従来家賃が維持されるケースもあり、今回のような一方的な大幅改定は実務上まれであり、多くの専門家が「契約法に反する可能性が高い」と指摘しています。
過去にも、都心部の築古アパートで家賃2倍超の改定が同様に問題化し、裁判で「不当利得返還」が認められた事例があります。また、民泊運営をめぐる無届営業は2022年の民泊新法施行後も後を絶たず、行政指導が強化されています。本件は「家賃改定」と「無届民泊」の二重トラブルである点で特殊ですが、いずれも借主保護と地域住環境維持の観点から社会問題化しやすいテーマです。
板橋区マンションの「家賃2.5倍」通告から撤回までの一連の経緯は、賃貸契約法上の問題と地域住民の生活権が交錯する典型的事例です。住民の不安を取り除き、信頼を再構築するためには、法的なルールの明確化と行政・地域協働による支援体制の強化が不可欠です。今回のケースを教訓に、全国の賃貸市場における借主保護と適正経営の両立を目指す取り組みが一層求められます。
出典:テレビ朝日『報道ステーション』、livedoorニュース
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