キャリアに+? 韓流スターの兵役
2025/06/10 (火曜日)
入隊はキャリアアップ? 変わる韓流スターの兵役 復帰後にも影響
世界的な人気を誇る韓国の7人組音楽グループ「BTS(防弾少年団)」は、メンバーの兵役義務履行のため2023年から活動を休止していましたが、2025年初頭より順次除隊が始まりました。除隊ラッシュを迎える今、K-POP界ではBTSに続く次世代グループが続々とデビューし、ファン層は拡大を続けています。本稿では、韓国の兵役制度とK-POPアイドルのキャリア、ファン心理の変遷、除隊を迎えるファンの心構え、そして「推しの入隊」とどう向き合うかを解説します。
韓国では18歳以上28歳未満の全ての男性に最大約20カ月の兵役が義務付けられています。BTSをはじめ、男性アイドルが兵役に服する際にはグループ活動を休止するか、ソロやユニットでの活動に切り替えるかが課題となります。国民的アーティストと兵役義務のバランスは、文化産業と国家的アイデンティティの両面で社会的注目を集めています。
過去には、東方神起、BIGBANG、SEVENTEENらも兵役を経て活動を再開し、復帰後にさらなる成長を遂げてきました。兵役を契機に、音楽性や表現力、パフォーマンススキルを磨き直し、キャリアの第二章を創出するアーティストも多く存在します。
アイドルグループは通常、デビューから約5年で人気のピークを迎えるため、兵役前後のスケジュール調整が至上命題です。所属事務所は予めソロ活動やユニット活動を計画し、フォロワーとのコミュニケーションを絶やさないよう務めます。YouTubeやSNSでの定期配信、バラエティ番組出演、音楽番組へのリモート参加など、ファンとの接点を維持する施策が取られています。
また、除隊直後にはファンミーティングや音楽番組出演を急ぎ、ファンの期待を再喚起。兵役中に撮影したドキュメンタリー映像を公開することで、アーティストの成長や変化を可視化し、復帰後のモチベーションを高める効果もあります。
推しアイドルが入隊すると、ファンには「推しロス(ロス:喪失感)」が生じやすくなります。SNS上では、入隊時の悲しみを共有し、復帰を心待ちにするコミュニティが形成されます。心理学的には、一種の「別離の悲しみ」に似たプロセスを経ると言われ、時間の経過とともに新たな活動や次世代グループへの興味が心の穴を埋めていきます。
長期間の活動休止に際しては、ファン自身も「応援の仕方」を見直す必要があります。ファンアート制作、オンラインイベント参加、同世代のファン同士の交流など、多様な楽しみ方を見つけることで、推しの復帰を待つ期間を充実させられます。
BTSの影響でK-POP全体の注目度が飛躍的に高まり、現地オーディション番組やオーディション生出身グループ(TOMORROW X TOGETHER、STRAY KIDS、NEWJEANSなど)が続々とデビュー。多様な音楽性やビジュアルコンセプトを武器に、ファン層が拡大しています。
これからのK-POP界では、グローバル市場を見据えたデジタルプロモーション、メタバースを活用したバーチャルライブ、ファン参加型のグローバル投票企画など、テクノロジーとファンエンゲージメントの融合がキーとなるでしょう。
BTSメンバー除隊のニュースは、大きな感動と同時に「推しの入隊」という宿命を思い起こさせます。ファンは悲しみだけでなく、新たな楽しみ方や自己成長の機会を見つけることで、入隊期間をポジティブに乗り切れます。さらに、K-POP界全体の次世代グループとの出会いも待っています。音楽とファン文化は常に動き続けるもの。いつか来る「推しの入隊」とどう向き合うかを考えることは、より豊かなファンライフを築く第一歩となるでしょう。
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