安田記念 ジャンタルマンタルがV
2025/06/08 (日曜日)
【安田記念】ジャンタルマンタルV! マイルG1は3勝目 川田「日本で一番強いマイル馬なんだと証明」
2025年6月8日、東京競馬場で行われた第75回安田記念(GⅠ・芝1600m)は、2番人気のジャンタルマンタル(牡4、栗東・高野友和厩舎)が1分32秒7、1馬身1/2差で優勝し、朝日杯フューチュリティS、NHKマイルCと合わせてマイルG1を3勝目としました。騎乗した川田将雅騎手は「日本で一番強いマイル馬なんだと証明してくれたレース」と語り、大会を盛り上げました。
安田記念は1951年に創設され、1984年のグレード制導入時にG1に格付けされた、春のマイル王決定戦です。3歳以上のサラブレッドが京都競馬場の翌週に東京へ舞台を移し、芝1600mでスプリントとは一線を画す「上半期最強マイラー」を決めます。直線525.9m、コース後半に2つの上り坂を控えるタフな舞台設定が特徴です。
出走メンバーと注目馬
今年の安田記念には短距離、マイル、中距離のG1馬5頭を含む18頭が出走しました。連覇を狙う実績馬ソングラインは参戦せずとも、2025年ドバイターフ馬ソウルラッシュ、マイル適性に秀でたジュンブロッサム、スプリンターG1馬マッドクール、さらにトロヴァトーレやシャンパンカラーら多彩な顔ぶれが集結。昨年のNHKマイルC馬ジャンタルマンタルは2番人気で臨みました。
父は米クラシックホース・パレスマリス、母インディアマントゥアナ(母父ウィルバーン)の血統背景から、持続力と瞬発力を兼備。2歳時からG1を制し、3歳春のNHKマイルCで本格化が明らかになりました。
スタート後、ジャンタルマンタルは好発を決めて道中は3番手にポジションをキープ。スローペースの中、4コーナー手前で一旦は動きを抑えつつも、直線で外に持ち出して鋭く抜け出しました。上がり3ハロンは最速の33秒1をマークし、1分32秒7の勝ち時計は平坦馬場ながらハイレベルでした。2着ガイアフォース、3着ソウルラッシュに1馬身1/2差をつける完勝劇でした。
川田将雅騎手は「久しぶりにこの馬らしく走れてホッとしています。あの競馬で強い勝ち方ができたのは、この馬の底力」と振り返り、「朝日杯で高いポテンシャルを感じ、NHKマイルCで『日本一のマイラー』と実感。今日ようやく改めて証明してくれた」と語りました。また高野友和調教師はこれが自身9度目のG1制覇とし、「調教で見せていた動きを本番で発揮してくれた」と称えました。
朝日杯FS、NHKマイルC、安田記念とマイルG1を3勝したのは、サンデーサイレンス系以降で史上2頭目の快挙です。過去にはモーリス、ダノンキングリー、サトノアラジンらが安田記念を勝ちましたが、マイルG1を複数制した例は少なく、ジャンタルマンタルのポテンシャルと安定感は群を抜いています。今後は秋のマイルCS制覇で“四冠”達成にも期待がかかります。
項目 | 記録 |
---|---|
最速タイム | 1分30秒9(2019年/スワーヴリチャード) |
最大勝ち幅 | 3馬身半(2008・第58回/伏兵馬) |
最多勝騎手 | 川田将雅(4勝:2015モーリス、2017サトノアラジン、2021ダノンキングリー、2025ジャンタルマンタル) |
最多勝調教師 | 藤沢和雄・堀宣行(各3勝) |
春のマイル王を決める舞台として数々の名勝負が繰り広げられてきました。特に2011年のリアルインパクトvsショウナンマイティの叩き合い、2019年スワーヴリチャード圧巻の逃げ切りなどは競馬史に残る一戦です。
まとめと今後の展望
ジャンタルマンタルの安田記念Vは、マイルG1三勝目という金字塔とともに、「日本最強マイラー」の地位を確固たるものにしました。秋はマイルCS、そして香港マイルや米国マイル遠征の可能性も囁かれ、冬のドバイ遠征を視野に入れたプランにも注目が集まります。次代のマイラーキングを巡る戦いは、まだ始まったばかりです。
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