「7月5日に大災害」予言の作者「何かが起きる日ではない」と軌道修正 新たな著書出版
2025/06/24 (火曜日)
東日本大震災(2011年)を予言したとして一部で注目されたたつきさんは、2021年に出版した「私が見た未来 完全版」(飛鳥新社)で、同年7月5日に見た予知夢の内容として「その災難が起こるのは、2025年7月です」「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました。その津波の高さは、東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な波です
「東日本大震災を予言した」と話題の霊能者・たつきさんは、2021年に飛鳥新社から出版した書籍『私が見た未来 完全版』で、2025年7月に「日本とフィリピンの中間あたりの海底が破裂(噴火)し、東日本大震災の3倍規模の巨大津波が太平洋沿岸を襲う」という予知夢の内容を明かしました(出典:Yahoo!ニュース2025年6月24日)。しかし、この予言が科学的に裏付けられるものではないことは明らかです。
まず、海底噴火やマグマの噴出で津波が発生するには、火山活動と周辺の地形・水深などが重要です。日本とフィリピンの中間海域は、マリアナ諸島付近の海溝やフィリピン海プレートの収束境界にあたることが知られますが、現時点で大規模噴火の兆候は観測されていません。日本気象庁は常時、海底火山の活動や海底地震をモニタリングしており、緊急の津波警報や海底活動の異常は全く発表されていません。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
たつきさんが指摘する“中間海域”は、東南アジアから日本列島に連なる環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイヤー)の一部です。フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込むマニラ海溝は、深さ5,400mに及び、活発な地震・火山活動が見られます。しかし、過去の事例では海底噴火による大型津波は稀であり、巨大津波を引き起こす主原因は断層破壊を伴う大規模地震です。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
これらはすべて「海底断層の急激なすべり」が原因であり、火山噴火が巨大津波を生む確率は非常に低いとされます。
地震予知は未だ確立されておらず、「いつ、どこで、どの規模の地震や津波が発生するか」を事前に特定できる科学的手法は存在しません。東京大学・関係教授の野村大(ノ村教授)は「電子機器を使わず夢だけで地震・津波を予知する根拠は皆無に等しく、こうした予言は誤情報やデマを助長しかねない」と述べています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
日本政府と気象庁は、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などのリスク評価を公表し、30年以内に70~80%の確率で発生すると警告。津波浸水想定図や避難訓練を通じ、地域防災力の強化を図っています。夢予言に頼らず、確立された科学的知見に基づく防災対策が推奨されます。(出典:Reuters2024年8月15日):contentReference[oaicite:4]{index=4}
SNS時代、根拠薄弱な予言が拡散すると不要な恐怖心やパニックを招く恐れがあります。正確な情報源(政府発表、気象庁サイトなど)を日頃から確認し、デマや誤情報に惑わされない情報リテラシーが求められます。
たつきさんの2025年7月予言は話題性があるものの、科学的根拠は皆無です。巨大地震・津波への備えは「正確な地震・津波予報は困難」という前提に立ち、防災訓練、避難計画、減災技術の導入、地域コミュニティの連携強化など、具体的で実効性のある対策が最も重要です。
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