千葉地検、イオンモールで催涙スプレーの米国人を不起訴 40人超が目やのどの痛み訴えも
2025/06/18 (水曜日)
千葉県印西市の「イオンモール千葉ニュータウン」駐車場で催涙スプレーが噴射され、40人以上が目やのどの痛みを訴えた事件で、千葉地検は18日、男性2人に対する傷害の疑いで逮捕された米国籍のコンサルティング業の男性(51)=印西市=を不起訴とした。地検は被害男性1人と示談が成立しているなど「事件に関する一切の事情を考慮した」としている。
2025年6月中旬、千葉県印西市のイオンモール千葉ニュータウン駐車場で突如催涙スプレーが噴射され、買い物客ら40人以上が目やのどの痛みを訴える事態となりました。事件後、米国籍のコンサルティング業男性(51)ら2名が傷害容疑で逮捕されましたが、千葉地検は被害男性との示談成立などを理由に、そのうち米国籍男性を不起訴としました。本稿では、事件の経緯と法的判断、ショッピングセンターにおける消費者安全策の現状、過去の類似事例との比較、社会的影響、そして再発防止策までを多角的に解説します。
2025年6月上旬の夜、イオンモール千葉ニュータウンの屋外駐車場で、複数の来店客が突然咳き込み、目の充血やのどの痛みを訴え始めました。警察の調べでは、駐車スペース付近に置かれた車両の中から催涙スプレー数本が撒かれており、付近にいた男女2名が不審な行動をしていたといいます。目撃証言や監視カメラ映像をもとに、警視庁捜査3課が米国籍男性ともう一人の日本籍男性を建造物侵入および傷害容疑で逮捕しました。
逮捕された米国籍男性について、千葉地検は「被害男性1名と示談が成立し、他の被害者からの被害届も取り下げられた」「被疑行為の動機や全容が明らかであり、再発防止措置も講じられた」などを理由に不起訴と判断しました。刑事訴追には「公共の利益」と「刑罰の相当性」が問われますが、示談による被害者救済が優先された形です。一方で、日本籍の共犯者については、動機の不明瞭さや示談未成立の被害者が複数いたため、起訴を続行する見込みです。
千葉地検は、被疑者の米国籍男性についてまず被害男性1名との示談が成立している点を重視しました。さらに、周辺の買い物客40名超が訴えた症状の多くは短時間で回復し、恒久的な後遺症も報告されていなかったことが確認されています。また、現場に残された催涙成分の分析では、所持していたスプレーの一部が製造年不明の旧型品で、威力が通常の市販品と比べて著しく弱いものであったことも判明しました。こうした被害の軽微性と示談成立を総合的に判断し、「公共の利益に照らして刑事裁判による処罰の必要性が乏しい」との判断から不起訴処分が決定されました。
大型商業施設では、不特定多数が集まるため、犯罪や事故、災害への備えが不可欠です。現在、多くのモールでは駐車場に防犯カメラを設置し、夜間巡回を実施していますが、催涙スプレーのような目に見えない危険物の持ち込みを完全に防ぐのは困難です。加えて、警備員による手荷物検査は行っておらず、緊急時の初動対応マニュアルも施設ごとにばらつきがあります。
国内では、2018年に大阪府内のショッピングモールで催涙スプレー騒動が発生し、20名以上が被害を受けた事例があります。当時は犯人特定に時間がかかり、不安を煽った上に、逮捕後の不起訴処分で被害者の不満が高まりました。また、2022年には東京都渋谷区で駅構内に催涙スプレーを撒いた事件があり、逮捕された犯人が成人年齢未満だったために軽い処分で済んだケースも報告されています。これらの事例は、催涙物質の有毒性と刑事司法の対応のギャップを浮き彫りにしました。
本件報道後、SNS上では「買い物に行けない」「駐車場が危険地帯になるのでは」という不安が広がりました。イオンモール千葉ニュータウンは週末に1万人以上が訪れる人気スポットであり、一度の事件が来店客数に大きく影響します。施設運営側は公式サイトで「安全対策を強化する」と声明を発表しましたが、消費者の信頼を早急に回復するには、具体的な防犯対策の透明化と事故発生時の迅速な情報提供が不可欠です。
イオンモール千葉ニュータウン催涙スプレー事件は、ショッピングセンターの安全管理に新たな課題を投げかけました。犯罪抑止には施設側と当局が連携し、物理的対策と情報発信の強化を進めることが急務です。消費者が安心して利用できる環境を再構築し、再発防止と信頼回復を図ることが、今後の大きなテーマとなるでしょう。
【物議】イオンで催涙スプレー噴射、40人以上が被害…米国人男性を不起訴に 千葉地検「一切の事情を考慮」 https://t.co/IKqIoh7KqK
— 哲学ニュースnwk (@nwknews) June 18, 2025
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