座間9人殺害 白石死刑囚の刑執行
2025/06/27 (金曜日)
総合ニュース
【速報】白石隆浩死刑囚(34)の死刑執行 座間男女9人殺害事件 「捕まっていなければ…」約20回の面会で記者に語っていたこと SNSで自殺願望ある人を誘い出す
法務省は2025年6月27日、神奈川県座間市で男女9人を殺害した罪で死刑が確定していた白石隆浩死刑囚(34)の刑を執行した。死刑執行は2022年7月以来約3年ぶりであり、被害者遺族や社会に大きな衝撃を与えている。以下では事件の経緯、裁判手続き、死刑制度の現状と課題、そして再発防止策の動向を詳述する。
2017年8月から10月にかけ、白石死刑囚はSNS上で自殺願望を訴える男女9人(当時15~26歳)に「一緒に死にませんか」と呼びかけ、自宅アパートに誘い出した。被害者たちを首を絞めて殺害し、所持金を奪ったうえで遺体を切断、近隣のごみ集積場などに遺棄した。女性8人には性的暴行も加えられ、凄惨な手口が判明した。発覚のきっかけは2017年10月下旬、最後の被害者の家族からの捜索願いである。捜査の結果、切断された遺体のパーツが白石のアパート近辺で相次いで発見され、翌月逮捕となった。
東京地裁立川支部の一審では、検察側が強盗殺人・強制性交殺人・死体損壊などの罪状を立証し、被害者の弱みに付け込んだ極めて悪質かつ計画的な犯行として求刑通り死刑判決を言い渡した。弁護側は「被害者の承諾があった」と主張したが、裁判員裁判はこれを退けた。上告審でも最高裁は2024年12月、被害者の同意の有無や責任能力を巡る争点を退け、死刑判決を支持。最終的に死刑執行が許可された。
日本の死刑執行権は法務大臣に委ねられており、近年は精神的負担などを理由に執行が停滞していた。2022年7月に行われた前回執行以降、4代続けて凍結が続いたが、2024年11月就任の鈴木馨祐法相は被害者感情への配慮と刑の迅速執行の必要性を強調し、本件を第一弾とした。死刑執行の公示は被害者遺族への配慮や国民の刑事司法に対する信頼回復を意図したものとされる。
遺族は「長い裁判を経てようやく区切りがついた」と述べる一方、「命が返るわけではない」と複雑な心境を吐露している。SNS上では「死刑は当然」「人道的見地から撤廃を」「再発防止にこそ注力を」と賛否両論が巻き起こった。メディア報道では被害者が「助けてほしかった」とのメッセージを残していたことが強調され、高齢化や孤立を背景とする自殺願望者への支援体制の不備が改めて浮き彫りとなった。
2025年時点で日本はアジアで中国、イラン、サウジアラビアに次ぐ死刑執行国であり、欧米諸国では廃止が主流である。国連や欧州理事会は日本に対し死刑廃止を勧告しているが、国民世論は概ね肯定的で、残虐犯罪への抑止力と受け止める声が根強い。国内では被告の更生可能性・矯正教育のあり方や、死刑存廃を巡る法学的・倫理的議論が継続している。
本事件を契機に、政府はSNSを通じた自殺願望者への接触を禁止する指針を強化。Twitter社は2017年11月に「自殺示唆投稿の助長禁止」を利用規約に追加し、不適切投稿の削除やアカウント凍結を行っている。厚生労働省は24時間体制の自殺相談ホットラインの増設、ICTを活用した予防プログラムの導入を進めている。文部科学省も学校現場でのメンタルヘルス教育を充実させる方針を打ち出した。
座間男女9人殺害事件は、凄惨かつ計画的な犯行が明らかになった点で戦後最悪級と評される。死刑執行によって司法制度の区切りが付けられた一方、自殺願望を持つ人々への社会的孤立対策や、死刑制度の是非を巡る議論はむしろ本格化するだろう。今後はデジタル時代にふさわしい犯罪予防策と刑事政策の再構築が求められる。
【速報】座間・男女9人殺害、白石隆浩死刑囚に死刑執行https://t.co/8176WYzvh6
— ライブドアニュース (@livedoornews) June 27, 2025
2017年、座間市の自宅アパートでSNSなどで知り合った15歳から26歳の男女9人を殺害して現金を奪うなどしたとして、強盗・強制性交殺人、死体損壊などの罪に問われ、死刑判決を言い渡されていた。 pic.twitter.com/Xhv2PC7Zhu
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