韓国大統領 G7サミットに出席へ
2025/06/07 (土曜日)
【ソウル時事】韓国大統領府は7日、李在明大統領が、カナダで今月中旬に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)への招待を受け、出席する予定だと発表した。
2025年6月7日、韓国大統領府は李在明大統領が今月中旬にカナダで開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)への招待を受け、出席する予定であることを発表しました。G7サミットは世界の経済・安全保障政策を議論する場として重要視されており、非G7メンバーの韓国大統領が正式に「ゲスト」として招かれるのは、同国の国際的地位を改めて示す出来事です。本稿では、G7の歴史的背景、非加盟国招待の慣例、韓国の招待意義、李在明大統領の外交政策、日韓・中韓関係との比較、サミットで議論が予想される主要テーマなどを、2000文字以上のボリュームで解説します。
G7は1975年にフランス・ランブイエで始まり、当初は先進西欧6カ国(フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、日本、アメリカ)にカナダを加えた7カ国で構成されます。世界GDPの約半分を占める経済大国が年に一度集まり、貿易・気候変動・エネルギー安全保障などを協議しています。招待国は開催国と議長国の判断で選ばれ、近年はインドやオーストラリア、南アフリカ、ブラジルなどが「ゲスト」として加わる例が増えています。
過去のG7招待例をみると、1980年代後半から90年代にかけて日本がアジア代表として韓国を招いたことはありませんでしたが、2000年代以降は中国やインドの経済成長を背景に、アジア各国を交えた「アウトリーチ」の試みが行われました。
この流れの中で、韓国は2023年から「対話パートナー」として毎年参加し、2025年はカナダ開催で正式に「ゲスト首脳」としての出席が確定しました。
韓国は世界第10位の経済規模を有し、半導体・自動車・造船などでグローバル市場をリードしています。また、アジア太平洋地域における安全保障課題(北朝鮮核問題、米中対立の緩衝国)を抱え、地域安定への貢献が期待されます。G7サミットへの招待は、こうした経済的・戦略的価値を高く評価したものであり、国際社会での韓国のプレゼンス向上を意味します。
李在明大統領は2022年5月の就任以来、「自由民主主義と市場経済の堅持」「北朝鮮との対話重視」「米韓同盟の深化」を掲げてきました。特に米中対立の激化に対し、韓国は自主的な「戦略的自律」を志向しつつ、G7諸国との経済・サプライチェーン協力を強化。今回の招待は、その外交努力の成果と見なせます。
これまで日本は歴史認識問題などで欧米諸国から取り扱いを注視されてきましたが、一方で日本政府もG7サミットに韓国を継続招待。日韓関係は安全保障・経済面で協調が必要であり、首脳同士の対話再開が期待されます。中国とは、韓国が「依存からの脱却」を掲げながらも、経済的結びつきが強く、G7では中国批判が強まる中、韓国は微妙な立場となります。
韓国代表として李大統領が発言し、アジア視点を反映した提案を行うことで、議論の幅が拡大すると予想されます。
サミット後、G7各国との首脳会談や二国間会談が設定される可能性が高く、米韓、日韓、加韓の関係強化につながるでしょう。一方で、北朝鮮問題や米中対立の深刻化で、G7内部の結束が試される局面も予想されます。韓国がどのようにバランスをとりつつ、主導的役割を果たせるかが注目されます。
李在明大統領のG7サミット出席は、韓国の国際的地位向上と多国間協力の深化を象徴する重要な一歩です。非加盟国の招待が拡大する中で、韓国がアジアの声をどのように取りまとめ、G7の決議や声明に反映させるかが今後の焦点となります。また、日韓関係や米中・中韓関係との調整を図りながら、サプライチェーンの強靭化や気候変動対策などグローバル課題での貢献が期待されます。
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