日鉄 米大統領がUSS買収計画承認

日鉄 米大統領がUSS買収計画承認

2025/06/14 (土曜日)

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【速報】USスチールめぐり米政府と黄金株発行含む国家安全保障協定締結 日本製鉄発表

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速報:国家安全保障協定締結と「黄金株」発行

2025年6月14日、日本製鉄は米大統領ドナルド・トランプ氏が承認したUSスチールとのパートナーシップに関連し、米政府との間で国家安全保障協定(NSA)を締結したと発表した。協定の柱として、2028年までに約110億ドル(約1兆6,000億円)の新規投資を行うことに加え、米政府に経営上の重要事項に拒否権を行使できる「黄金株」を発行することを盛り込んでいる 。

協定の主な内容

同協定では、①国内生産拡充のコミットメント、②輸出入に関する通商ルールの遵守、③米政府へのガバナンス参加(黄金株発行を含む)――を規定。黄金株は合併や工場閉鎖、重要資産の売却など重大決定に対して米政府が拒否権を行使できる特別株式で、国家安全保障の観点から外資による制御リスクを抑制する仕組みとして位置づけられている 。

投資コミットメントの具体策

日本製鉄は協定に基づき、2028年までに新鋼板工場や電気アーク炉建設などに約11億ドルを投入。その後も追加でグリーンフィールドプロジェクトへ投資することで、トータルで14億~15億ドル規模のインフラ強化を目指す。これにより老朽化したUSスチールの設備更新と、米国内雇用の維持・創出を図るとしている 。

背景:買収計画の経緯とCFIUS審査

日本製鉄は2023年12月に約15兆円規模のUSスチール買収提案を発表したが、バイデン政権下で国家安全保障を理由に一時凍結された。トランプ政権移行後、CFIUS(対米外国投資委員会)は再審査を実施し、懸念を一定の条件で解消できると判断。今回のNSA締結を条件に大統領令が発出され、買収手続きが全面的に進展する運びとなった 。

「黄金株」の国際的事例との比較

政府保有の黄金株は英国のBT民営化(1984年)やロイター売却(1988年)で導入実績がある。これにより政府は重要事案で拒否権を保持し、通信インフラへの外資流入を管理した。今回のUSスチール案件も同様に、「国家インフラ防衛」と「海外資本受入れ」のバランスを図る政策手法として位置づけられている 。

日本政府・経済産業省の反応

武藤敏郎経済産業大臣は「日米の緊密な産業連携を強化する歴史的協定だ」と歓迎コメントを発表。政府は今後、同様の大型海外投資案件に対する国家安全保障評価フレームワークを整備し、投資促進と安全保障確保の両立を目指す方針を示した 。

産業界・労組の受け止め

United Steelworkers(USW)は「投資と雇用維持は評価するが、詳細なガバナンス権限を精査したい」と慎重姿勢。地元ペンシルベニア州議会や地域経済界からは「100%子会社化で雇用不安が懸念される」との声も上がっており、今後の運営透明性確保が課題となる 。

日本経済・世界市場への波及効果

この協定により日本製鉄は世界第2位の製鉄グループに躍り出る見込み。世界的な鋼材需給ひっ迫の緩和や、生産拠点の多角化によるサプライチェーン強化が期待される。一方、円安と資源価格高騰で調達コスト増となる可能性もあり、国内鉄鋼業界の競争環境に与える影響にも注目が集まっている 。

今後の展開と留意点

  • 最終合併契約の締結時期と100%子会社化スケジュール
  • CFIUS・欧州委員会など他国規制当局の承認状況
  • 地元労働組合との協議進捗と雇用維持策
  • 日本製鉄の財務負担と投資効果のROI

まとめ

USスチールを巡る国家安全保障協定の締結と「黄金株」発行は、日米間の戦略的パートナーシップを象徴する出来事だ。経済安全保障の新たな枠組みとして、今後の実行状況と透明性に厳しい視線が注がれる一方、グローバル鋼鉄市場における日本製鉄のプレゼンス強化が期待される。

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