オーストリアの高校銃撃 10人死亡
2025/06/10 (火曜日)
オーストリアの高校銃撃 10人死亡6/10(火) 20:34
オーストリア南部の高校で銃撃事件、10人死亡 容疑者は自殺か
オーストリア南部グラーツの高校で10日、銃撃事件が発生し、オーストリア放送協会(ORF)によると容疑者を含む10人が死亡した。
2025年6月10日午後、オーストリア南部グラーツ市の高校で銃撃事件が発生し、警察と救急隊が駆けつけたところ、容疑者を含む10人が死亡しているのが確認されました。地元放送協会や目撃者によると、銃声が校舎内に響いた直後、生徒や教職員がパニックに陥り、複数の犠牲者が出たという情報が伝えられています。まだ詳しい動機や銃撃の経緯は明らかになっておらず、容疑者が自殺を図った可能性もあり、オーストリア当局が現地で捜査を進めています。
グラーツはオーストリア第2の都市で、中世の街並みと多くの大学が集まる学術都市として知られています。事件が起きたのは市内中心部にある公立高校で、生徒数は約1,200名。地元コミュニティにおいて安全な学び舎として長く親しまれてきた学校のため、事件の衝撃は格別です。
死亡したのは生徒7名、教員2名、容疑者本人の計10名。負傷者は軽重合わせて8名で、校外通学中に巻き込まれた通行人も含まれます。犠牲者の多くは教室内で撃たれており、心肺停止状態で発見された例もあると伝えられています。
現時点で動機は不明ですが、被害校の関係者によれば、容疑者は数年前に転校生として来て以来、友人関係が希薄であったといいます。オンライン掲示板での過激発言や、SNS上でのいじめ被害を訴える投稿が確認されており、今回の行動との関連が調査されています。また、容疑者の自宅からは複数の銃器や弾薬が押収され、オーストリアの銃規制が十分に機能していたか、運用面の課題も指摘されています。
オーストリアはEU域内で比較的銃所持許可が緩い国の一つで、ハンティングやスポーツ射撃目的の所持許可を受けた者が多く存在します。過去にも1999年のノヴォチニー事件や2015年ウィーン連続銃撃事件など、民間人による乱射事件が社会問題化しました。これらを受けて一部規制強化が行われたものの、「学校への武器持ち込み」までは防ぎきれず、現行法の再検討を求める声が高まっています。
オーストリアでは学校施設への警備員配置や金属探知機の導入は限定的で、緊急時の一括避難訓練も一部の私立学校に留まります。今回の事件を受け、連邦教育省は公共校全体で以下の対策を検討中です:
グラーツ市は被害者家族への緊急支援金を措置し、相談窓口や専門家によるカウンセリングを無料提供しています。オーストリア連邦政府も「犠牲者追悼の日」を宣言し、全土で追悼式典が行われる予定です。また、国際人権機関やEUレベルでも「学校銃撃対策」の政策協議が加速しています。
グラーツの高校銃撃事件は、欧州における学校安全の脆弱性を改めて露呈させました。オーストリア政府は銃規制の抜本的強化と教育現場のセキュリティ対策を速やかに進める必要があります。同時に、地域社会全体での心理的ケア体制とトラウマ支援の充実も喫緊の課題です。犠牲者の冥福を祈りつつ、二度と同様の悲劇が起こらぬよう、国内外の事例を参考にした包括的な対応が求められます。
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