イスラエル 攻撃は「何日も」続く
2025/06/13 (金曜日)
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルによるイランの核標的への攻撃を確認し、この作戦は何日も続くと述べた。
(CNN)は2025年6月13日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が「イスラエルはイラン国内の核施設および関連要員を標的とする作戦を開始し、この作戦はイランの核の脅威を排除するまで何日も続く」とテレビ演説で表明したと報じました。ネタニヤフ氏はこの攻撃を「ライジング・ライオン(Rising Lion)作戦」と命名し、「我々の存続を脅かす核の脅威を未然に断つための不可欠な措置」と位置づけています。
作戦では、イラン中部の主要なウラン濃縮施設ナタンツをはじめ、フォルドーやテヘラン郊外の軍事基地、革命防衛隊(IRGC)の幹部宿営地など数十か所が空爆とミサイル攻撃で襲撃されました。イラン国営メディアはIRGC司令官ホセイン・サラミ将軍や核科学者2名が戦死したと報じ、数百人規模の死傷者が出た可能性があると伝えています(出典:AP通信 2025年6月13日):contentReference[oaicite:0]{index=0}。イスラエル国防軍(IDF)は「精密誘導兵器によるピンポイント攻撃」と強調しましたが、イラン側は民間人被害も含むと反発しています(出典:ガーディアン 2025年6月13日):contentReference[oaicite:1]{index=1}。
イスラエルは1981年のイラク原子炉攻撃(オペレーション・オペラ)や2007年のシリア原子炉攻撃(オペレーション・アウトサイド・ザ・ボックス)など、核開発阻止を目的とした先制攻撃を過去にも実施してきました。これらは「ビギン・ドクトリン」と呼ばれ、核武装国家を容認しない政策に基づくものです(出典:Wikipedia「Begin Doctrine」):contentReference[oaicite:2]{index=2}。
2015年の核合意(JCPOA)以降、米国が一時離脱し、イランは濃縮度60%近くのウランを保有。IAEAは2025年6月に「イランが核義務に初めて20年ぶりに違反」と報告し、濃縮拡大を確認しています。イランは先月、新型遠心分離機の導入を表明し、核開発の加速を示唆。米国や欧州は制裁強化と外交再開を模索していました(出典:Wikipedia「June 2025 Israeli strikes on Iran」):contentReference[oaicite:3]{index=3}。
国連憲章51条は「武力攻撃に対する個別的又は集団的自衛権」を認めますが、予防的先制攻撃の合法性は国際社会で議論が分かれます。イスラエル側は「差し迫った存在的脅威への対応」と主張する一方、イランは「主権侵害」と非難。国連安保理では緊急会合が招集され、米国は「イスラエルの自衛権を支持する」と述べる一方、他の加盟国は「エスカレーション回避」を訴えています。
一連の空爆は中東域内の緊張を一気に高め、イラクやシリア、レバノンでも米・英軍基地周辺へのミサイル発射が相次いでいます。湾岸諸国は航空管制を一時停止し、石油市場は8%超の急騰を記録。EUやロシアも「さらなる対話による平和維持」を呼びかけています(出典:タイム誌 2025年6月13日):contentReference[oaicite:4]{index=4}。
トランプ政権は事前通告を受けたとされつつも公式参加を否定し、「米軍基地への影響はない」と声明。イラン核交渉はオマーンでの会合直前に暗礁に乗り上げ、再開の見通しは不透明です。バイデン前大統領を含む一部米政治家は「外交が破壊された」と批判、他方では「イランへの強硬姿勢が必要」との声も根強く、米国内でも意見が割れています。
イランは直ちに「報復を行う」と宣言し、弾道・巡航ミサイルや無人機による報復攻撃を示唆。イスラエルは迎撃態勢を強化し、国民にシェルター待機を呼びかけています。長期化すれば、広範な地政学的リスクと核拡散の懸念が拡大し、世界経済や安全保障協力に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
ネタニヤフ首相が打ち出した「ライジング・ライオン作戦」は、イラン核問題の最前線での武力行使という重大なエスカレーションです。過去の先制攻撃の教訓、国際法上の自衛権論争、地域安定への影響など、複合的要因を踏まえ、今後の展開を冷静に見極めることが求められます。イスラエルは「脅威を排除するまで何日も続く」と表明した以上、短期的な軍事行動を超えた戦略的ビジョンが問われるでしょう。
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