タイガーマスク 来年7月に引退
2025/07/06 (日曜日)
スポーツニュース
【新日本】4代目タイガーマスク 来年7月の現役引退を表明「自分の中で納得できなくなってきた」
新日本プロレス4代目タイガーマスク、来年7月現役引退を表明──苦悩と伝統を背負うレスラーの決断
2025年7月6日、新日本プロレスは「4代目タイガーマスク」が来年7月の両国国技館大会をもって現役を引退すると発表した。長年にわたりタイガーマスクとして闘い続けてきた中で、「マスクに込めた自分の信念とリング上のギャップに、最近“自分の中で納得できなくなってきた”」とのコメントを残した(出典:『プロレス格闘技』7/6号)。本稿では、①タイガーマスクの系譜と歴史②4代目としての歩みと決断③過去のプロレスラー引退劇との比較④プロレス界に残す遺産──を中心に整理・解説する。
「タイガーマスク」は1969年、劇画家・梶原一騎と漫画家・辻なおきによる漫画作品『タイガーマスク』を原作に、東洋プロレスで仮面レスラーとしてデビュー。その後、新日本プロレスと全日本プロレスのリングを股にかける興行企画として実在化した。
2006年8月、新日本プロレスのヤングライオンから抜擢され4代目タイガーマスクとしてデビュー。初期は苦戦も、派手な空中技と的確なマイクパフォーマンスで人気を博す。2012年にはIWGPジュニア王座を初戴冠し、以後6度の戴冠を重ねた。
近年は貫禄ある“虎の化身”として後進育成にも注力。道場での指導中には厳しい指導と愛情あふれる励ましで、多くの若手が成長した。しかし、ここ数年はリングでのパフォーマンスとマスクに込めた理想のズレを痛感し、「自分が目指す高みと、年齢・体力の限界が折り合わなくなってきた」との思いから引退を決意したという。
プロレスラーの引退・復帰劇は枚挙にいとまがないが、マスクを背負う者の「引退」は特別な意味を持つ。
4代目タイガーマスクの引退は、新日本プロレスにとって大きな節目となる。次世代育成に注力する中で、リングスタイルの変遷と“虎伝承”の系譜がいったん完結する。
現役引退後は、本名に戻り道場長やジュニア育成担当に回る見込み。プロレス学園(仮称)の設立構想を温め、多角的に後進支援を続ける意向だという。一方、新たな“5代目タイガーマスク”登場も噂されており、プロレス界全体が虎伝承の行方を注視している。
4代目タイガーマスクの引退表明は、マスクレスリングの伝統を一つの区切りにする出来事だ。マスクという記号に込められた理想と実際の闘いとの葛藤は多くのレスラーが抱える普遍的テーマであり、その決断はプロレス界に新たな問いを投げかけた。次世代の虎たちは、どのように「伝説」を受け継ぎ、さらに昇華させていくのか。虎の系譜が示すのは、勝利以上に“信念を貫く生き様”の継承であり、その灯火はこれからも消えることなく輝き続けるだろう。
コメント:0 件
まだコメントはありません。