東京の平均月給はNYの半分 調査

東京の平均月給はNYの半分 調査

2025/06/26 (木曜日)

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経済ニュース

東京の平均月給はニューヨークの半分…2012年で同程度だったのが今や世界69都市中38位に

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はじめに

2025年6月26日、ドイツ銀行リサーチ・インスティテュートの最新報告書が発表され、東京の平均月給(税・家賃控除後)が米ニューヨークの約半分にとどまり、世界69都市中38位だったことが明らかになりました。東京は2,592ドル(約37万円)、ニューヨークは5,128ドル(約74万円)と大きな差がある一方、調査開始時の2012年では両都市はほぼ同水準だったといいます(出典:荒川区民ニュース)。

調査の概要

本調査「Mapping the World’s Prices」は、2012年に第1版が刊行されたドイツ銀行リサーチ・インスティテュートによる年次報告書で、世界主要都市の生活コストや可処分所得を多角的に比較します。家賃や税金を差し引いた「手取り月給」のほか、消費財、レジャー、交通費などの指数を収集し、購買力平価(PPP)をベースに都市間順位を算出します。最新の2025年版では69都市を対象に分析を行い、定量的に生活の豊かさを評価しています(出典:Deutsche Bank Research Institute)。

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2025年時点で、税・家賃差引後の平均月給は以下の通りです。東京は2,592ドルで38位、ニューヨークは5,128ドルで7位。両都市間の差額は約2,536ドル(約37万円)に達し、同一国際都市としての格差の拡大が浮き彫りとなりました(出典:荒川区民ニュース)。

調査開始時(2012年)の比較

調査初回の2012年では、東京とニューヨークは手取り月給がともに4千ドル台前半で並び、国際的にもほぼ同水準でした。経済の二極化が進む前、両都市は同等の生活コストと所得水準を維持していたことが分かります(出典:荒川区民ニュース)。

日本の賃金推移

厚生労働省「平成23年賃金構造基本統計調査」によると、2012年の東京都平均所定内給与額は372,900円でした(出典:厚生労働省 平成23年賃金構造基本統計調査 都道府県別速報)。2024年も春闘で大企業を中心に5.1%の平均賃上げが実現したものの、消費者物価上昇率(4.2%)を下回り、実質賃金は26か月連続のマイナスを記録。2025年1月には前年比▲1.8%となりました(出典:10works note「実質賃金はなぜ下がり続けるのか」, Reuters「Japan inflation-adjusted wages rise in December on jump in bonuses」)。

米国の賃金推移

Economic Policy Instituteのデータによれば、米国の平均時給は2012年6月の23.46ドルから2023年6月には約33.00ドルへ約40%上昇しました。さらに地域や業種によっては週平均勤務時間の増加も相まって、月収ベースで6,000ドルを超える都市も見られます。堅調な労働市場と最低賃金引き上げ、労働者の交渉力向上が賃金上昇を支えています(出典:Economic Policy Institute Nominal Wage Tracker)。

賃金格差拡大の要因

日米賃金格差拡大の背景には、日本側のデフレ脱却の遅れと企業の内部留保志向、非正規雇用比率の高さ、労働生産性の伸び悩みがあります。若年層への賃上げ偏重や労働組合の交渉力低下も影響。一方、米国ではテクノロジー分野など高付加価値産業の成長、インフレ調整を踏まえた金融政策、最低賃金の段階的引き上げが実現し、実質賃金を押し上げました(出典:Diamond Online「人手不足下で実質賃金低迷」, Reuters「Half of Japan firms target wage hike of 3% or more for 2025」)。

今後の展望

日本では2025年春闘で連合が平均6.09%の賃上げを要求するなど、さらなる賃上げ圧力が高まっていますが、物価上昇に追いつくかは不透明です。政府・日銀は「持続的・幅広い賃上げ」を金融政策正常化の前提と位置づけ、企業側への要請を続けています。一方、米国ではインフレ抑制と労働市場安定を両立させる政策運営が継続される見込みで、都市部の賃金上昇トレンドは維持されるでしょう。

まとめ

ドイツ銀行の調査は、2012年に並んでいた東京とニューヨークの手取り月給が、わずか13年で2倍の差に開いた現実を示しています。今後、日本が国際都市として魅力を維持するには、生産性向上策やデジタル投資、働き方改革を通じた賃金底上げが急務となります。

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