古米おいしく 高機能炊飯器が好調
2025/07/08 (火曜日)
「古米もおいしく」高機能炊飯器が好調…備蓄米放出でニーズ、家庭用精米機も脚光
政府備蓄米放出で古米をおいしく──高機能炊飯器の需要拡大と蔵出し米活用の新潮流
2025年上半期、政府による備蓄米の放出拡大を受け、公的倉庫に長期保管されていた“古米”が家庭に行き渡るようになった。その一方で「香りやツヤ、粘りが新米に劣る」と敬遠する声も根強い。こうした古米のイメージを一新しようと、高機能炊飯器が家電量販店で好調な売れ行きを見せている(出典:livedoor ニュース
政府は食糧安全保障の一環として、2010年代後半から米の備蓄量を年間約100万トン規模で積み増し、最大約600万トンを保有してきた。2024年夏以降のコメ品薄・価格高騰を受け、2025年春から備蓄米の放出を本格化。家計の負担軽減と食糧安定供給策として歓迎される一方、流通量が増えた古米に対しては「まずい」「パサつく」というネガティブな印象が残った。
しかし、備蓄米にも品質管理基準を満たす良質な古米が多数含まれており、「よりおいしく食べたい」という消費者ニーズが顕在化。これを受け、家電メーカーは古米特有の硬さや乾燥を抑える炊飯モードを搭載したプレミアム炊飯器を次々に投入している。
高級炊飯器は従来の「白米炊き」から進化し、AIによるお米の吸水度検知、圧力制御、多段階加熱などを駆使。具体的には:
こうした機能により、古米でも新米と遜色ない食感・風味を実現できるとして、家電量販店の売り場では“古米対応炊飯器”コーナーが拡充されている(出典:沖縄タイムス )。
全国の大手家電量販店では、備蓄米の特設コーナーを設置し、「古米おいしく炊ける炊飯器」の比較展示を実施。試食イベントでは、同一銘柄の新米・古米を炊き分け、食感や香りの違いを体感できるようにしている。また、食品メーカーや調味料メーカーも連携し、「古米専用の炊き方レシピ」や「おいしさ復活ブレンド調味料」をウェブ・SNSで発信中だ。
古米の“乾燥による劣化層”を薄く削り取る家庭用小型精米機も売れ筋に。精米度合いを0.1分ごとに調節でき、糠臭さや古米特有のにおいを除去しつつビタミンなどの栄養素も維持できる。精米機と高機能炊飯器のセット購入が一部の家庭で進み、古米の再価値化がビルトイン化しつつある。
古米活用の拡大には、以下のポイントが重要となる。
備蓄米放出が家計の支えとなる一方、古米のネガティブイメージは消費拡大の足かせだった。高機能炊飯器や家庭用精米機の進化により、「古米もおいしく食べる」取り組みが家庭に浸透しつつある。家電量販店の売場充実、食品・調味料メーカーの情報発信、JAや政府の調整が連携すれば、古米活用は食料循環のモデルケースとなり得るだろう。今後は価格面・教育面での支援を強化し、「古米=まずい」という常識を覆す新たな食文化の定着を期待したい。
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