勤務中窃盗疑い 警官2人懲戒免職

勤務中窃盗疑い 警官2人懲戒免職

2025/06/27 (金曜日)

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【速報】警視庁の警察官2人が勤務中に現金窃盗か…倒れた人の持ち物から病院で16万円盗んだ疑いなど それぞれ書類送検され懲戒免職処分

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勤務中の警視庁警察官2人による現金窃盗疑惑──事件概要と警察不祥事の背景・再発防止策

2025年6月27日、警視庁は勤務中に現金を窃盗したとして、新宿署の巡査部長(43)と高尾署の巡査(32)の両名を書類送検し、懲戒免職処分を決定した。巡査部長は2025年2月、倒れた高齢男性が搬送された病院で所持金16万円を、巡査は5月、高齢女性の自宅で現金2万円をそれぞれ盗んだ疑いがもたれている。

事件の概要と捜査の経緯

新宿署巡査部長は2月上旬、路上で倒れて救急搬送された80代男性の所持品を看護師らの隙をついて漁り、封筒に入った現金16万円を盗んだ疑い。高尾署巡査は5月上旬、八王子市内で「お金がない」と交番に相談に来た80代女性宅を訪問し、防犯カメラの死角を狙って室内の現金2万円を窃取したとされる。両者とも捜査により犯行が裏付けられ、警視庁本部は同日付で懲戒免職処分とした。

適用された法令と書類送検後の流れ

両警察官にはいずれも窃盗罪(刑法第235条)が適用され、書類送検後は検察が起訴を判断する。窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金で、刑事手続きの結果次第では刑事裁判へ送致される。警察官が被疑者となる場合、内部での捜査・処分と並行して刑事捜査が進む点が特徴である。

警察内部規律と懲戒制度の仕組み

警察法および国家公務員法に基づき、警察官は「全身全霊職務に専念すべし」と定められる。懲戒処分は<訓戒・減給・停職・降任・免職>の5段階があり、窃盗などの犯罪行為は最も重い「免職」に該当する。今回の2件は職務の信頼を著しく毀損する重大事案として、懲戒委員会で即時免職が承認された。

過去の警察不祥事とその教訓

  • 2011年:警視庁巡査3名が強制わいせつ事件で懲戒免職(被害者利益の侵害と捜査体制の不備が問題)
  • 2015年:大阪府警巡査長が賭博行為で減給・停職処分(内部監視の甘さが顕在化)
  • 2019年:ある県警が取り調べ録画データを意図的に改ざん、公務員の証拠管理への信頼低下を招く

いずれも「職務の公正性」「被害者保護」「内部統制」が問われ、事後の再発防止策として研修強化や内部通報制度の拡充が進められてきた。

社会的影響と警察信頼の回復

警察官による窃盗事件は、被害者の身体的苦境につけ込み金品を奪う行為であり、警察全体への不信感を深刻化させる。世論調査では「警察官への信頼度が過去最低水準に低下」との結果もあり、警視庁は内部監査の強化、体外通報窓口の匿名化、定期的な倫理研修を実施。市民との意見交換会や現場パトロールへの住民参加を通じた透明性確保が急務とされる。

再発防止策と今後の課題

再発防止には以下の複合的対策が必要である:

  1. 勤務状況の可視化:シフト管理システムとGPS連動による勤務実態チェック。
  2. 内部通報制度の周知徹底:匿名通報を含む第三者窓口の整備と迅速対応。
  3. 倫理・コンプライアンス教育:警察学校から現職研修まで一貫したカリキュラム強化。
  4. 被害者支援の充実:被害者相談ホットラインと担当窓口の設置。

国際的視点:他国警察の監督制度と比較

英国では「Independent Office for Police Conduct(警察行為監視局)」が市民からの苦情受付と調査権限を持つ。米国の多くの州では市民文民委員会が設置され、警察内部の聞き取りとは独立して捜査を行う。日本でも外部機関による監視強化が議論されており、2026年度中の法改正案提出が目指されている。

まとめ

警視庁警察官2人による現金窃盗事件は、被救助者や相談者という弱者を対象にした許しがたい犯行であり、警察組織への深刻な信頼失墜を招いた。懲戒免職という内部処分だけでなく、刑事手続きの適正な進行、被害者支援の徹底、外部監視制度の導入など多角的な再発防止策が急務である。国民が安心して警察に頼れる社会を取り戻すため、透明性と責任を重視した改革を継続しなければならない。

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